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第11号                                2009.3.20〜順次

2009.3.20 送別会での卒業生の言葉

U-T
 やってほしいこと。自分が走っている姿を絵に描いてみて欲しい。自分は2年の冬季練の時に自分の跳んでいる姿をイメージして描くようにしていた。いざ描いてみようとすると描けない。つまり、それは自分の動きが分かっていないから。これは、きめ細かく意識し点検することになる。これを考えた上でトレーニングすると一気に14mを超えるようになった。15m超えが目標だったが。目標は達成できなかったが伸ばすことができた。こうするとジョグをするところから質が変わってくるし、試合ですごく出る。これからでも遅くないので、やってみて欲しい。第3者の自分が自分を見る、つまり客観的に自分を観ることを練習で実践して欲しい。自分を客観的に観られると今まで見えなかったことが見えてくる。アドバイスをもらったとしても、すんなり受け入れることができる。自分を細かいところまでイメージしてみること、たとえばラストスパートの自分走っている姿は、無駄な走りをしているかもしれない。そう言われたことが分からなかったのが分かったりする。練習の質を高めれば目標達成の近道になる。自分の信じた道を切り開いていくことになると思う。

O-Y
 ビッグ3へのつなぎとして話します(笑)。自分の失敗したことから伝えたい。チームのために与えられた役割と思って試合で仕事をしていたが、自分に関連する競技を見ていなかったりと、自分のためにしなければならないことを忘れてしまっていた。自分の仕事、役割を明確にして、チームのためのはチームのため、自分のためは自分のためと、はっきりと決めて分けて取り組んで欲しい。

K-N
 陸上は高校から始めた。そのおかげで自分の限界を知った。それまでは自分を過信していた。歳を取っていくっていうのは、あきらめていくことだというが、あきらめていいことは諦めつつも、あきらめちゃいけないことは諦めず、自分の小さな目標を積み立てていき、小さな目標が崩れたとしても、回り道をしても大きな目標に行くことが出来るんだと思う。

O-S
 高校3年間に何をして欲しいかを話します。いいタイムは出して欲しいけど、それだけじゃなく、自分がどう生きていくか決めるということ。中学の頃はなんとなくでよかったが、高校では自由である分、自分がどうしたいのか決めておかないとトラブルの時に困ったりする。私は高2の時に先生から「どうやって生きるのか決めろ」と言われたことを覚えている。それで、行動しようと思って、たとえ、おせっかいと思われても行動し、気になったことはすぐに口に出すようにし、それでよかったと思っている。だから、みんなも決めて欲しい。
それから、陸上は個人競技だけどチームに戻らなきゃダメ。チームのことばかりで自分のことがなくてもいけないが、自分の競技が終わり、ダウンも終わったら今度はチームの一員として行動する。私はマネージャーだったから、専念できたが、切り替えなきゃいけない人は大変だと思ってた。でも、1年生とかで、グランド整備や他人の練習を手伝うとか、そういうことが分かってなかったりするのかと感じてきた。チームと呼べるものにするために戻らなきゃダメ。チームの仕事をしてから競技に行って欲しい。
あと、2年生は受験に入るが、私が見てきて、成功した人っていうのは、1分1秒を争っているという人だった。帰り道に英単語の勉強していたりはもちろん、用事が済んだら、すぐに帰らなきゃとか、そうやった人が納得した結果が得られていた。切りつめるところは切りつめるということ。それをやれば陸上も受験も成功すると思う。陸上でも勉強でも、みんなの成果を見たいと思うので頑張って。

O-M
 話す順番を同じクラスのK君に抜かされ少しショックだった(笑)。私は中学から陸上を続け、走るのが好きでやってきたので、みんなには部活を楽しんでと言いたい。中学と違い高校は自分で動かなければならない。それは自分たちの責任が大きくなるということでもある。だから、チーム一丸となってやってほしい。卒業式の時に卒業生代表のS君の話にも「横高生としての誇りを失っている人が多い」との話しもあった。陸上部だけでなく文化祭でも、3年生より勢いが足らないのではと後輩に感じる部分もある。楽しくやるには、やる気と責任、これがあれば後悔せずに終われる。私は練習がきつくて何回か部活に出られなくなった時もあったが、最後まで続けて良かったと思うのは、話を聞いてくれたり、してくれたり、駅伝の時はサポートだったが、やりがいがあったから、いま笑って話せる。たいへんなこともあると思うが、誇りを失わず、やってほしい。

K-R
 みんなは気にし過ぎてる。自分たちの今のクラブのこと、ろくに見てもいないでゴチャゴチャ言ってくることは無視して、ちゃんと練習して頑張って。

K-T
 自分は姿で示せていたと思うので、言いたいことは一つだけ。強いと思い込むことが大事だ。どうしたら強くなるのか。ただ動かすだけではダメ。こうなりたいと思うから強くなれる。たとえば、狩りをする人は、そのために速くなりたいと思ったからだ。自分は2年半、思い込んだのは、漫然と動かすのではなく、目的をわかってやれとも言われるが、わかってやるよりも動くんだと思ってやってきた。3年の最初の頃、目標を発表し合ったと思う。自分は800mで1分台と発表し、チームに関しては、なんか貢献すると言った。競技の方は最後の最後まで残念だったが、800mも締めとしてはそれなりだった。ちゃらんぽらんなことをやってたけど、800m、1500m、やり、いろいろやったけど楽しくできた。ある意味、陸上部らしいことはできたと思ってる。チームに対しては同級生に貢献するっていうのはあれなんで、後輩に気を配るとかして、楽しかったし、いるだけでもと思っていたので、1年生には一番3年生の中では顔を覚えてもらってたと思う。スタート地点として、なんで県横で、集団で、陸上部をやっているのか考えて欲しい。自分は幻を追っかけてた気がする。自分には何にも見えていない最初の一ヶ月半があって、思い込んで、少しは見えてきたが、それだけで、何も見えなくて、走るのが好き、というそれだけだった。今の女子は都大路を走るとか言っているけど、そういうふうに目標が見えてて欲しい。チームとしてどこまでいくかを見据えて、すてきな報告を僕らに下さい。

S-J
 作文、浪人生SJ(笑)。「試合への向き合う気持ちと注意点」みんな、大会の前に目標をもつと思う。その気持ちは大事だと思うし、ないと負けてしまうが、たとえば、関東に行きたい行きたいと思ってしまうと、足の動きや、ここができてないよと先生に言われたことや、自分が気にしていた事が、つぶされてしまって、記録会以下の結果になってしまうことがある。行きたいという気持ちだけではダメで、行くためには何をしなければいけないかとたどり、具体的にすることだ。たとえば、6位以内に入る、それをいくついくつの記録で決めて、そのために、こことここをやらねければいけない、そのためにはまだ、ここが出来てない、それをどう直すかを練習でやるんだと。大事な試合で、いい動きをすることを目指して、いい結果を報告して欲しい。

S-K
 一番漠然としたことを言うが、中学から陸上をやって来て、自分の中で陸上だけでなく人生で真理だと思うひと言がある。自分はそれで変わった。中学の先生に言われたひと言で「速い奴が強いんじゃない、強い奴が速くなるんだ」という言葉だ。50mはちょっと速いくらいで、幅跳びも小学校で3番くらいだったから、できるだろうと思ってた。でも、試合に出たら全然ダメで。「強い」という言葉の意味がまだまだ分かってないが、その「強さ」があれば、結果はついていくんだなと思う。「強さ」とは、自分のためになることをすること、人に優しくしたり、それをやってきてダメならしょうがない、次どうするかだ、それをやればいいじゃないかと思う。陸上に真剣に打ち込んで欲しいと思う。

T-T
 記録会も始まり、これからの話として、みんなも肩書きも新3年生2年生となる。3年生は競技に集中して結果を出す役割がある。2年生は新入生も入ってくるし、事務的なこともやる立場。新入生に教えることも役割で、新2年生の責任が大きくなってくる。そこは頑張って欲しい。
それから、枠争いというのが出てくると思う。自分はそうだった。「あいつには負けない」という、一昨年の先輩からしてもらった話だが、チームの中だけじゃなく他校の誰かでもいい、負けない思いで、日々の練習に打ち込むことが大事と思う。自分がいる場所を最終的に確認する。立てた目標のために、いま何をすべきかだと思う。
最後に部長を大事にしてください、大変だと思うが。うちらは部長まかせになって、Nに苦労をかけた代。チーム全体で支えるように頑張って。

H-T
 自分は推薦で大学に受かり時間があったはずだが、時間を無駄にしたと最近思い、後悔している。みんなは部活もやっていて自由な時間はないと思うが、空いた時間に何でもできるはず。そう思わなければ、できない。高校時代はいろいろやるチャンスだと思うから後悔しないように。部活も。もうすぐシーズンなので頑張って。

Y-R
 目の前の辛いことから逃げないで欲しい。自分は1年の頃、練習が辛くてサボったこともある。そうすると次回から、しんどいことにぶち当たった時に逃げることのなる。部活は高校生活の中で大きなものだ。きつい練習で足がつったり、吐いたりしたことも今となっては、いい思い出だ。退屈な受験勉強の中でもクスッと笑えるように、目先のことにとらわれず強くなって欲しい。

M-J
 2年とちょっとお世話になって楽しいこともいっぱいあったし、ほとんど辛いことも多かったが、振り返ってみて、シーズンに入る時で心に置いて欲しいことを経験から話す。入学したときは部活に入る気はなくて合格者説明会の時に横高生はみんな入っていると聞いて、文化部はダサイかなと思い、足が速いから、じゃあ陸上でと、動機はこんなひどい感じで入った。入ったらビックリするぐらいの高いレベルで、でも、いったん入ったら続けようと思ってやったが、1年の時は練習についていく感じで、2年になった時に短距離長になって、生き方が変わった。任命されたからには、やろうと決めたが、何も分からず、無力さに情けなくなったり辛い時期だった。競技も最初は長距離、そして短距離に移され、幅跳びもやって、棒高跳になった。自分を何がこうさせたのか考えみると支えてくれた言葉があった。それは「できない理由を探すな」。たとえば、足が短いとか筋肉質でないとか。自分もいろんな競技をしつつ、棒高跳でも、できない理由を探さずやったのが、やってこれたことにつながった。最初がむしゃらで、なのに最後の最後に高校から始めたから4mいけばいいやと限界をつくってしまったことが唯一の後悔だ。ある例えで、チョウチョは力学の専門から言うと飛べるはずがないそうで、なぜ飛べるかというと、自分が飛べないことを知らないからだという。できるということを信じて、結果論は考えずにやることだ。だから棒高跳も必死でやってたが、最初はベッドみたいなマットに何回も落ちて、怪我をすることより先のステップに進みたい気持ちが大きかったから、失敗を怖れずにやった。これも例えで、大学教授が、スズメが電線に風が吹いても止まっていられるのは何故かと聞いたら、バランス感覚があるとか掴む力が強いとかの答えが出る中で、ある学生は「スズメは落ちたとしても飛べると思ってるから」と答えたという話がある。つまり、失敗したら反省して、また踏み出せばいいじゃないかということだ。後輩に情けない姿を見せてきたが、みんなは失敗しても反省してどんどんやってほしい。競技力があるわけでもないのに自分の話を聞いてくれて、ありがとう。また、同期のSJには棒高跳を一から教えてもらって感謝している。

I-A
 一日一日を自分に素直に送って欲しい。私は横高の陸上部には強いから入ってみようと思った。意志の強い先輩達の後輩だったから上を自然に目指したが、先輩がいなくなったら、自分はどうしたらいいか分からなくなって、逃げることを考え、でも、不安を見せちゃいけないし、みんなの前ではみせないで、一人の時に逃げてるなと思った。福間先生がいなくなって、そんな自分に後悔してて、女子の間で問題があっても、気持ちで逃げる癖があって、自分はダメだという思いが、毎日だった。県大会に近づく度に、投げてやるという気持ちより、自分がダメだ、変えなきゃという気持ち多くて、プラスの力が不安に負けて投げられなくなってしまった。改めようとした時期もあったが、みんなには次につなげられない後悔ばかりはしないで欲しい。引退まで速いが、不安はすぐに解決して欲しい。わだかまりが試合に来たら今までが無駄になるから。小学校の卒業式も、中学校の卒業の時も、そして横高の6組の担任も言っていたが「人間として成長して欲しい」、人と人との関わり合いの中で相手を思う気持ちを感じて欲しい。お金を出して通わせてくれた親、先生達の強くしたいと思う気持ちを感じ取って、自分で変えようとして欲しい。親の気持ちを汲み取れば、少し手伝いますとか、人と人とのつながりを大きくして、OBが来たときも相手のことを思いやれるようにということが競技よりもしてほしいこと。私たちもOB・OGの代になるが、後輩のことを大事に思ってる。同じチームの中の後輩は大事。助けてあげたいと思うし、それを今までのOBが持ってることが分かるので、大事に思われているから自分はどうしたらいいか考えて欲しい。

N-T
 ふたつのことを言いたい。ひとつめは、速くなること・強くなりたい、ただ競技で強い、それだけじゃなくいてほしい。この県横陸上部はチームで闘うのであって、一人だけ勝ってるじゃなくて、チーム全体がいい成績を残そう、そのためには自分の走りだけでなく、普段の態度が、くだらないおしゃべりにしても、部員にどういう影響を与えるか考えて欲しい。いい影響かな悪い影響かなと。練習を頑張るが、普段は適当っていうような、そういう人を見てきて、こいつの言うことは信頼できないな、強くはないが、こいつは信頼できるなと感じてきた。
 ふたつめは、自分はマーチングバンドのスタッフをしていて、OBになって今日は走友会の総会に出させてもらい、私立大に進むので親にたくさん金を出してもらうことにもなって、祖父に言われてた言葉を浮かべた。「親思う心に勝る親心」。選手が思う先生に感謝する心、これに比べて先生達が思っている気持ちの大きさは絶対強いと思う。OB・OGの話は間違いないことだ。また文句言ってる、うるせえなとの声を聞くが、カチンと来ることもあると思うが、じゃあ、何を考えて、この人は言っているのかな、ここを直さなきゃなと考えて、やっていってほしい。ただ反発するだけじゃなく、汲み取る気持ちを持って欲しい。

顧問K
 卒業生は、今この立場だからこそ気付いたことを分析できた。その中から出てきた言葉は意味のあることで、それをどれだけ現役がそのつもりで受け止めていたのかと問いたい。1・2年生は夢中でいる間は気付かないもの。だからこそ自分はどうかと受け止めて欲しい。OBが話してくれることも同じ。正しいか間違っているかは、かみ砕いて入れてみないと分からないものだ。それすらしないで、はき捨てていないか。それでは決して結果はでない。素直さにつながる問題で、これと競技とどう関係あるんだとか、そういうことじゃないんだよと言いたい。だまされたと思って見つめ直して欲しい。自分は、大学がインカレで総合優勝を常に狙う、それしかないという、これを次の目標にしていることで過ごした。2回の総合優勝、1回は僅差で2位、1回は大きく離されての4位。その中で、闘う前から優勝するぞと感じ、結果が出る時と、負けでも、勝てそうなのに負けたなど、3パターンを経験し、チームの状態やメンバーから感じて、勝つ時って、こうなんだ、違いは何だ?と、いくつか気付いた点、これをこれからみんなに活かせないかと考えている。今の卒業生の指摘をどう聞いてくれたかという話ばかりになるが、現状は正直不安。卒業生をだましちゃだめだ。期待を受けている中で、現状を理解してもらって、チームとしての色を決めてスタートしよう!っとならないと、このままでは決して大躍進することはない。むしろ停滞していく。そこに気付いて欲しい。顧問が代わったからと言って、チームのカラーはリセットされるものではないはず。横高に来る前の印象は、部員は能動的に見えた。だから、ヒントを与えたり、相談されたらアドバイスを与えるといったサポートのサービス提供でいいのだろうと思ってきた。しかしながら今はクオリティが低い。40秒走も消化試合、こなしているだけになっている。そこへの取り組み方、練習の趣旨への理解が不十分でマンネリ化している。やはり1分1秒を無駄にしない勝負の姿勢が要。卒業生が安心して、新体制に移動してどうなっているかと楽しみにグランドや会場へ来てくれるようなチームをつくっていこう。送別会にふさわしい締め方ではないが、ごまかしはやめようと言いたい。

顧問O
 卒業生は、いろんなことがあった代だったが、福間先生がグランドに上がらず、みんなに気付いて欲しいと願っていたことや、いろいろ叱られた真意も、いまは理解することができるようになっていると思う。みんなの言葉から成長したなあと感じる。卒業生の誰もが黙々と取り組む姿というのが思い出に残っているが、特にカジガヤ。グランドのトイレをあんなに手入れをして掃除をしてくれた部員は、今までにいなかったと思う。59期生の言葉が『かわら版』になているのはオクダがメモをしてくれたおかげ。助けてもらったり、きつい練習での姿、棒高ポール事件などなど・・・。陸上部で体験したことは叱られたことも含めて役に立っていくはず。走友会の一員として、引き続き後輩に伝える立場で、また来て欲しい。

顧問M
 卒業生のみんなが3年になった時、福間という偉大な指導者を失った。それで横高陸上部は終わり・・・そんなことはない。これからも続いていくわけだ。陸上部のOBは学校の中でどういう存在で進学がどうだったかなど、これまでのことも思い返して、ずっと続いていることを確認して欲しい。カジガヤがグランドのトイレを掃除してくれていたけど、今はどうだかというと恥ずかしい。いいことは続けなくちゃ。いまカジ君が見たら、がっかりすると思う。怒っていいんだよ、カジ君、それだけプライドがあったんだから。自分たちが陸上部をつなげていくということを歴史と共に感じて欲しい。横中十何期に陸上部があり、ということは80年以上の歴史があり、本間先生が来てからは関東大会に出場し続けている。それは誰が支えてきたのか。先生じゃない、生徒、選手なんだ。そして一人で闘えるかというとそうじゃない、支えてくれるのはお互い様、速けりゃいいってもんじゃない、競技力だけじゃない、いろいろ交代にやるしかない、お互いを強くさせたい気持ちがそこにはあるんだ。最近読んだ本に、55歳で教育免許を取って59歳で教員になって60歳で亡くなった元プロ野球の打撃コーチがいて、落合を育てイチローも二軍時代にかかわっている。その人が伸びる人の共通点を人生そのものといえるかもしれないが挙げている。最初に素直であること。好奇心が旺盛であること。忍耐力があってあきらめない。四つ目は準備を怠らないこと。几帳面であること。気配りが出来ること。七つ目は夢を持って目標を高く設定できること。七つも覚えられなくていい、自分であれっと思えばいいから。つまりでハート、精神力。精神的に弱いとダメだよね。嘉納治五郎なら「心技体のバランス」だというところだろうが、大人や社会人になっても大きく成長したいと思う気持ち。勉強だけ出来てバランスのない奴はダメ。技だけでも体力だけでもダメ。気持ちのバランスとか、いろんな事が出来ること、失敗することができることも大事。あるチャンピオンが勝ったことから学ぶのは難しいと言っていた。だから、記録会で失敗していいんだよ。でも、無駄な失敗するな。失敗して分かったことがあると自信になるんだよ。自信がある人は失敗できる。失敗して学ぶことで成長できるから。じゃないと大きくならない。
着任2年目で言いたいのは、まわりから陸上部は頑張ってるねと言われ続けた。それは実は、みんなが普通にやってきたことが評価されただけのことなんだということ。そのモラルが良かっただけ。自然に出来るようになっている、嫌みなく出来るようになっていることが評価されたのだ。陸上部が勝手にグランドのトイレを掃除しただけだよね。用務員さんの手伝いをしただけだよね。そしたら熊手を貸してくれたよね。信用してなかったら貸してもくれないよ。みんなが自然に出来るから周りにいる人が評価して見てくれる。これをぶっ壊すのは簡単。信用なんて簡単に蹴っ飛ばせる。34人良くても、たった一人でぶっ飛んじゃう。そういうたった一人が出ないために集団としてのモラルが何十年間はたらいて続いている。大学ラグビー日本一が一発で出られなくなっていう事件があった。でも、そうでなはないチームある。そこには集団としてのモラルが支えている。綿々と1年生へつながっている。勝ちたいという気持ちとモラルを伝えなくてはいけない。これはある種競技力とも相関してくる。富岡高校のバスケット部は何回もインターハイに行っている。ある日、ドカ雪が降って、そのとき朝、学校まで雪かきがしてあったことがあるそうだ。女子のバスケット部員が、朝、自ら校門までしたそうだ。その時のキャプテンが旅費を出してもらったり、お世話になっているから、それを返せるのは今しかないと思って行ったら、みんなもいたと言っていた。松坂がいた横浜高校の部室やグランドは今のウチよりきれいかな。きちんと整理していなかったら、良い練習ができないんだよ。誰がやるの?部員がやるんだよ。順番に伝わっていくことが順につながっていく。集団として誰かがストップウォッチを押したり、いろんなことをしていることは、競技力につながらないかというと無関係じゃない。強制してやらされるか自分からやるかで、まるで違う。
最後に、去年、自分として試合シーズンで残念だったなと心残りの勝負がある。これも勉強にして来年度に活かそうと思っている。卒業生も陸上部で学んだことを力の要素として欲しい。

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